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エコウィル

エコウィル

エコウィルの正式名は「家庭用ガス発電給湯暖房システム」といいます。ガスコージェネレーションの一種で、家庭用に開発された、ガスを燃料にして発電と給湯を行うシステムです。エネファームと似ていると感じられた方が多いと思います。できることも似てます。発電と給湯のほか、床暖房、ミストシャワー、浴室暖房・乾燥機能など、ほとんど一緒です。何が違うのでしょう。
それは、エコウィルの発電方法です。エネファームは燃料電池方式で、ガスから水素を取り出し、水素と酸素を反応させて電気をつくりますが、エコウィルの発電方法は、ガスを燃料にして、エンジンを駆動させ、その力で発電機を回して電気をつくります。同じようにエンジンを駆動させる自動車はエンジンの力を回転運動に変えて、車輪を回しますが、エコウィルのエンジンは発電機を回すことに応用されています。
エンジンって回っていると熱くなるでしょう。自動車ならラジエーターで冷やしますが、エコウィルは、この熱でお湯を沸かして給湯に利用します。つくったお湯は、給湯のほか、床暖房やミストシャワーに利用しています。

エコウィル 写真提供:東京ガス株式会社

図 エコウィルの仕組み エコウィルの仕組み

どんな家に向いていますか?

エコウィルは、大別すれば、発電と給湯の二つの機能を持っています。この二つの機能を発揮させるため、ガスエンジンを使っているのですが、このエンジンが強力なんです。そのため運転するほど発電量も増しますが、湯も沸きすぎてしまいます。使い切れなければ、せっかく沸かしたお湯も冷めるし、もったいないですよね。発電しすぎた電気も太陽光発電みたいに電力会社に売ることができないので無駄になりますので、省エネとはいえなくなってしまいます。ですから、エコウィルは、初めから発電は定格1kW、熱量は2.8kWに設計されていて、必要以上の発電をしないようにシステムが組まれています。
つまり、タンク内のお水を73~75℃まで沸かしたら、自動的に運転が止まってしまい、発電も止めてしまうんです。このシステム、お湯を沸かすことが主体で、発電の方は従なんですが、これを「熱主電従運転」といいます。
基本的な運転パターンは、そのお家の生活パターンを考えて、お湯を使う時間までに、お湯が十分に貯まるようにエコウィルの稼働時間を決めて、貯湯タンクのお湯が沸き上がると運転を止めてしまいます。各家庭でお湯を使う時間はマチマチですから、その家庭の事情に合せて運転時間を制御する学習機能が搭載されているのはそのためです。
メーカーが推奨している、エコウィルの向いている家は、たくさんお湯を使う家です。家族数が多く、毎日お風呂やシャワー、朝の洗面・洗顔でお湯を大量に使う家、床暖房などで豊富なお湯が必要な家などです。大家族で、お風呂が大好きなお家にはエコウィルは最適かもしれません。

ランニングコストやメンテナンスってどうなってます?

エコウィルは大家族向きと話しましたが、それは、少量のお湯しか使わない家では、すぐ発電が止まってしまうことが理由なんです。ですから、夏場よりも床暖房に必要な冬にこそ力を発揮するのがエコウィルです。
まず、電気代ですが、ガスで発電しますから、ガスの使用量は増えますが、家庭で使用する電力量の3~4割程度をエコウィルが賄ってくれるので、電気代は節約できます。ガス会社の試算では、標準的な家庭で年間3万円ほど電気代の節約になるようです。でも、ガスの使用量が増えるのでは何にもなりませんが、お得なガスの料金プランがあるみたいです。東京ガスのケースでは、「発電エコプラン」というのですが、冬期(12~4月)はお得な専用料金表が適用され、年間を通じて8%割引になるようです。
メンテナンスに関しては、購入形態によって差があるようですが、一般には、設置後10年間または運転20,000時間のどちらか早い方がその期間になるようです。この期間であれば、定期点検や修理費等は無償で行ってくれます。定期点検を行うのは、エコウィルが車と同じくエンジンで動いているからですが、3年または6,000時間のいずれか早い方で、点検や消耗品の交換を行います。不適当な使用や天災などは対象外ですが、通常の使用で、もし、故障が起きても無償で修理してくれるようです。新築で、同時に施工された機器なら、エコウィルだけでなく、浴室暖房や床暖房もサポートの対象となるようですから、10年間は安心といえます。

エコワイルの「10年間フルサポート」 エコウィルの「10年間フルサポート」

エコウィルってエコなんですか?

大家族向けだとか、たくさんお湯を使う家向きだとか、なんだか省エネとは相対するような発電・給湯器ですから、少し心配ですよね。でも、ご安心ください、エコウィルも省エネ効果があります。エコウィルのエネルギー利用率は83%。発電時の熱エネルギーを有効利用できない火力発電所のエネルギー利用率が37%ですから、それに比べると雲泥の差です。エコウィルのエネルギー効率が高いのは、エネルギーを利用する家で発電し、かつ排熱利用しているからです。
また、1次エネルギーの消費量も従来方式の、給湯暖房システム+火力発電に比べて約28%もダウンさせることができ、その結果、二酸化炭素排出量は約39%も削減することができるそうです。

エコウィルの二酸化炭素排出量 資料:東京ガス エコウィルの二酸化炭素排出量

他に注意する点は?

いくつか留意点がありますので、ご検討ください。

  • 停電時にエコウィルが使えるかどうかですが、エネファーム同様、停電時には使えません。停電になるとエコウィルは自動停止してしまいます。それと、エコウィルでつくった電気を電力会社に売電することもできません。太陽光発電のようにはいかないようです。
  • 給湯で心配なのは、湯切れですが、この点は問題ありません。エコウィルの給湯ユニットには、補助熱源器として24号のガス湯沸器が併設されており、お湯が不足すると自動的に稼働してくれますので安心です。でも、エコウィルのお湯は給湯タンクから送られているので、飲用には適しません。直接は飲まないでくださいね。
  • エコウィルは戸建住宅用なので、マンション等の集合住宅には設置できません。戸建でも、既築住宅では、設置スペースや配管、配線経路の確保が必要ですし、現行の配電盤の取替え工事や基礎工事などが別途必要になります。

お値段はどのくらい?

発電もするため相当高そうですが、実はそうでもありません。エネファームの200万円に比べれば、お手頃と感じられるかもしれませんね。エコウィルは発電ユニットと貯湯ユニットの組合せで1セットですが、価格は80~90万円くらいです。
両セットとも重く、いずれも70~80kg程度あります。貯湯ユニットは、満水時には200kgを超えますから、設置にはコンクリートの基礎が必要になりますし、そのためのスペースも確保しなければなりません。設置工事は10~20万円くらいですが、これには基礎の費用は含みません。新築なら事前に、専用の基礎を計画しておきましょう。既築なら、ガス会社もしくはリフォーム店に相談してみてください。

共通基礎の場合(平面) 共通基礎の設置例

それから、運転音のことにも触れておきます。エンジンを回すので騒音が出るように思いますが、発電ユニットで43dBですから気にするほどではありません。貯湯ユニットも48dBで、これもエアコンの室外ユニット程度ですから問題ないと思います。ただ、設置場所や周囲の状況によっては、反響などもありますから細心の注意を払ってください。

補助金はありますか?

都道府県や市町村では、エコウィルの導入に補助金や助成金を交付しているところがありますので、お近くの窓口に確認してみてください。

導入するには、どこに相談すればいいの?

エコウィルは、ガスエンジンユニットと給湯ユニットで1セットです。ただ、それぞれのメーカーが異なります。エンジンユニットでは本田技研工業やパーパスなど、貯湯ユニットは、長府製作所、ノーリツなどのメーカーが製造しています。二つのユニットを組み合わせて「エコウィル」として販売しているのが、ガス供給事業者です。詳しくは、燃料が天然ガスなら大手のガス会社、LPガスなら各地区の燃料店にお問い合わせください。
[天然ガスの場合]
東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガス
[LPガスの場合]
地域のプロパンガスを扱う燃料店

エコウィル 製品例

東京ガス
発電ユニット 貯湯ユニット
GEH-1011ARS-K GFT-C11ARS-AWQ 
発電出力 1.0kW 貯湯温度 約75℃
排熱出力 2.5kW 貯湯タンク容量 90L
効率 発電26.3%・排熱65.7%
(低位発熱量基準)
給湯能力 24号
発電23.7%・排熱59.3%
(高位発熱量基準)
熱利用 給湯・床暖房・浴室暖房乾燥等
外形寸法 W580×D298×H750mm 外形寸法 W720×D300×H1690mm
質量 71kg(運転時約74kg) 質量 83kg(満水時約178kg)
ガスの種類 都市ガス13A用
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