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タイル工事

タイルの用途は広く、一般の住宅でも床、内壁、外壁、水廻りなど、施工可能な部位は多く、タイルもそれに応じて種類が豊富です。タイルの選択には、施工部分に適応する製品の中で、好みや予算にあったタイルを選ぶことが重要です。最近では、調湿性能のあるタイル(INAX エコカラットなど)を居室の壁に用いるなど、機能面で選択されることも多くなっており、用途の幅が広がってきているようです。
また、これまで湿式工法(モルタルで張り付ける在来工法)のタイル張りが多く、工期に悪影響を与えるために、採用をためらう設計者もいましたが、接着工法(専用の接着剤で張り付ける工法)が普及してきたことから、今後は、高級感のあるタイル仕上げの採用が増えそうです。
見積単価は、施工部位や面積、タイルの種類、施工方法など条件によって異なります。面積が小さい浴室の床やトイレの床のように、特定部分だけをタイルで仕上げるとなると、外装タイルを全面に張るような、規模の大きいタイル工事よりも、手間の単価が割高になる傾向があります。
数量・単位は、通常平面の平物と出・入隅部分の役物では数量の拾い方が㎡、mと異なるため項目を分けます。役物タイルには、標準曲がり、屏風曲がり、片面取り、段鼻などがありますが、平物に比べ単価は、割高になっています。

タイル(材料)の特徴

タイルはその製法、形状、面状により種類があり、様々な点から区分されます。タイルメーカーのカタログには以下のような情報が掲載されておりますので、選ぶときに参考にしてみてください。

  1. 用途による区分
  2. 吸水率による区分
  3. 無釉と施釉
  4. タイルの寸法
  • …内装床タイル・外装床タイル・内装壁タイル・外装壁タイル
  • …Ⅰ類(旧磁器質)・Ⅱ類(旧せっ器質)・Ⅲ類(旧陶器質)
  • …釉薬(うわぐすり)のかけたものとかけていないもの
  • …25㎜角のモザイクタイルから600㎜角の大形タイルまで大きさも多様にあります。

(床)Ⅰ類・うす釉・300㎜角平 (壁)Ⅰ類・施釉・12.5㎜角平
(床)Ⅰ類・うす釉・300㎜角平
(壁)Ⅰ類・施釉・12.5㎜角平

Ⅱ類・施釉・300㎜角平
Ⅱ類・施釉・300㎜角平

多孔質セラミック・施釉・303㎜角平
多孔質セラミック・施釉・303㎜角平

Ⅰ類・施釉・二丁掛け
Ⅰ類・施釉・二丁掛け

タイルの施工方法

タイルの施工方法

タイル張りにはさまざまな方法がありますが、大きくは次の2工法が多いようです。

  • 圧着張り …モルタルによる施工
  • 接着剤張り …専用接着剤による施工

見積書の見方

  名称 規格・仕様 数量 単位 単価 金額
床タイル下地 モルタル中塗工事
材工共
8.5 1,930 16,405
床タイル張りり
玄関・勝手口 床・幅木
INAX/ピアッツアOX
材工共
磁器質150角程度
8.5 11,500 97,750
  役物 ポーチ垂れ鼻
材工共
3.6 m 4,690 16,884

項目①の床タイル下地を見てみましょう。
施工方法で示したように、①は、タイルを張る前にモルタルで下地を整えるための工事費を表しています(ただし、左官工事に分類)。材質・寸法欄を見ると、施工部分が床タイル部分のモルタル下地であることがわかります。数量は施工面積でひろい、単位は㎡で表されます。単価はモルタル等の材料費と手間をあわせた価格で示されるのが一般的です。なお、このタイル下地をつくる作業は、左官工事に分類されますので、見積書では、左官工事に入っています。
次に項目②を見てみましょう。
施工部分は玄関・勝手口の床およびそれぞれの幅木部分、タイルはINAX製、商品名はピアッツアOX、磁器質タイルで大きさが150×150㎜角であることがわかります。なお、事例では、幅木には役物ではなく平物を貼るようです。
前述したように、平面に用いる平物(面積㎡)と出・入隅といった部分に用いる役物(長さm)では、材料の値段が全然違うため、数量の拾い方が異なり、別項目になっています。
単価にはタイルの材料費とタイルを張る手間(モルタルや接着剤なども含む)が含まれています。なお、材料費はメーカーの定価の60~80%ぐらいが一般的なようです。
また、材料費と手間を分けて記入する場合もあり、ポケット版ではそのように掲載しています。

<参考>タイルの選び方

カタログの見方

タイルのカタログでは、屋内用と屋外用が明確に区分されています。同時に、壁用、床用の区別もあります。デザインが気に入ったからといって、屋内用のタイルを外廻りに使うことはできません。なぜなら、タイル強度の違いや、滑る、滑らないの問題以上に、屋内用と屋外用では、タイルの吸水率が全く異なるからです。吸水率の高い屋内用のタイルを外部に使った場合、凍害などによって一冬で破損してしまいます。
タイルを選ぶには、デザインや色彩だけではなく、その用途を確認しましょう。

陶器質タイル

多孔質で吸水性が大きく、叩くと濁音を発する(吸水率22%以下)

磁器質タイル

透明性があり、緻密で硬く、叩くと濁音を発する(吸水率1%以下)

せっ器質タイル
透明性はないが、硬く吸水性は少ない(吸水率5%以下)
  • そのほか、セラミックでできたセラミックタイル、土器質に近いテラコッタタイルもあります。

釉薬=うわぐすり

タイルには、その表面の強度や光沢を増すために、釉薬をかけて焼いた「施釉」タイルとかけずに焼いた「無釉」タイルがあります。施釉タイルには、ラスター釉、うす釉、マット釉などがあります。無釉タイルには、テラコッタタイルや素焼きのタイルが該当します。
タイルを選ぶには、メーカーのショールームを訪ねるのが手っとり早い方法です。現物を見て選ぶことができ、釉薬の有無がタイルの質感の違いに影響することも確認できます。

施釉
ラスター釉
:チタンやスズの化合物を焼き付けたタイルで、外装タイルなど光沢のある特殊タイルに用いられる。
うす釉
:汚れやすい無釉タイルを改善するため、透明な光沢をごく少量施釉したタイル
マット釉
:つや消し状態となるような釉薬をかけたタイル

石工事について

事例では石工事の項目がないため、加工石を使った工事はありません。高級な住宅では玄関の土間を鉄平石で仕上げたり、大理石で仕上げる例も見られます。床に関しては、ほとんどタイル工事と同様の工程を踏んで工事が進められますので、割愛します。戸建住宅で石を多用するのは、建物よりは、むしろ、外廻りの方が多いようです。

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